僕はキミの心臓になりたい
「ごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど
クラスメイトから見られるといろいろめんどくさくて……」
「ふーん。でもさ、そんな余計なこと
心配してたらせっかく行けるようになった
学校がつまんなくね?」
鋭い発言に何も言えなかった。
「クラスの奴らに変なことされたら俺が何とかするから!
俺に美羽を守らせてよ」
羽賀くんの言葉に心が揺れる。
何で……?
何で彼は私にこんな優しいの?
私にはまだ、彼の行動の意味がわからずにいた。
教室に入ると、昨日と同様みんな
羽賀くんのところへ群がった。
「羽賀〜おはよう!」
私は、それを横目にさっさと自席へ行こうとした。
すると、そこらへんの女子グループや男子からなど、
私に向ける視線が昨日より増えた気がした。
席に向かってる間ずっと視線を感じていたが、
なるべく気にしないようにして席についた。
好奇心や憎しみ……
視線の内容は様々な気がするけど
私はこのクラスにいる限り
ずっと向けられたままなのか。
羽賀くんを取り囲むクラスメイト達が
ざわざわしながら、時々こちらに
チラリと目を向けてくる。
そして、彼に問い詰めてるような女子もいる。
私の事を羽賀くんに聞いてるのだろうけど
私は見なかったことにして
1人で窓の外を見つめた。