僕はキミの心臓になりたい
悔しくて涙が出ないように唇を噛み締めた。
「探してたんだ。ありがと」
「美羽、あのさ」
「ごめん、急いでるから行くね」
私は羽賀くんの言葉を聞かないまま
その場から走り去った。
羽賀君と一緒にいるところを見られたら
また嫌がらせされるに決まってる。
それに嫌がらせされてることを
羽賀くんに知られるほど
惨めなことはないよ。
教室に戻りづらかったので
私は階段を最上階まで駆け上がって
屋上の扉の前まで来た。
扉は鍵がかかっていて入れず
その場にペタリと腰をおろし
泣き叫びたい気持ちになった。