僕はキミの心臓になりたい
「なにそれ?」
羽賀くんが手にしていたのは
白いシンプルな手帳のようなものだった。
「夢を叶えるノート」
「夢を叶える…?どういうこと⁇」
「どうって、そういう意味だよ!
このノートに美羽のやりたい事を
どんどん書いて、それを2人で
叶えてくんだよ。
おもしろそうだろ?」
羽賀くんは楽しそうに
手帳を開いてパラパラめくりながら
言ったが、私にはまだ理解できなかった。
「学校で俺といるのが辛かったら
休日に俺と付き合ってよ」
「なっ何で私とそんなこと…」
「美羽は今まで入院ばかりで
やりたいことたくさん我慢してきただろ。
でも、今は自由。
我慢しなきゃいけないことなんかない。
この時間を自分の好きなことに
使いたいって思わない?」
「羽賀くん……」
「美羽のしたいことを
たくさんしていこう。
俺がこの夏を、最高の夏にしてやるよ!」
そう言った羽賀くんの笑顔は
今まで見たことないくらいにまぶしかった。