僕はキミの心臓になりたい
2日前、羽賀くんから
「明後日の日曜日にやりたいことを決めて」
と言われたけど
すぐには思いつくことができず
日曜日までに手帳に書いてくることになっていた。
羽賀くんは私から手帳を受け取り
そこに書いてあったことを読み上げた。
「➀ずっと観たかった映画が観たい……映画か!」
「うん。映画観に行きたいなと思って」
「よし。じゃあ、さっそく行こうぜ」
私たちはバスに乗って
大型ショッピングモールへと向かった。
「美羽って映画好きなんだ」
「うん。休みの日とか借りてきて観たり、一人映画もよくするよ」
「どんなジャンルが好きなの?」
「うーん…コメディ系やアクション系もよく観るけど、一番好きなのはホラーなんだよね」
「へっへえ〜ホラーか。すげーな」
羽賀くんの表情が引きつったように見えた。
そんなことを話してる内に
映画館の前に着いた。
壁には近々公開の映画のポスターが
たくさん貼られていて
それを眺めるだけで自然と
ワクワクしてくる。
「入院してた時から
ずっとみたいのがあったんだ。
シリーズ物の続編のやつで」
「何の映画?」
「ホラー映画なんだけど……」
「ほぉ…」
ホラーと聞いた瞬間
羽賀くんの顔が一気に青ざめてしまった。