僕はキミの心臓になりたい
10分くらい歩いて着いたラーメン屋さんは
有名店らしく、入口前には列ができていた。
2人は列の最後尾に並ぶと
回転が速いのか案外すぐに
入ることができた。
店内は蒸し暑く、一気に汗が吹き出した。
ラーメンの湯気に
かろうじて付いているエアコンの風が
負けてしまっている。
無理もない。
ここのお店は、ある熱々メニューが
人気で有名になったのだから。
カウンター席で横並びに座り
私はメニューを開いた。
「これ!ずっとこれを食べてみたかったの」
羽賀くんに一番大きく載っている
ラーメンを指差してみせた。
「あつあつマグマラーメン?
なんか見るからに激アツっぽくない?」
「そう!このラーメンね
激アツで有名なの。
これを10分間に食べきると無料なんだって」
それはこのお店で一番人気の
激アツラーメンだった。
熱さに強い私は
いつかチャレンジしてみたいと
思っていたのだ。
「よし、ならどっちが先に食べ終わるか勝負するか!」
「うん!」
羽賀くんもノリノリになり
あつあつマグマラーメンを2つ注文した。