僕はキミの心臓になりたい



熱いものには強い方の私でも

これは舌が狂いそうなほど熱かった。



ラーメンはとても美味しかったけど

熱さのせいで舌が徐々に麻痺してしまい

これが勝負ってことも途中から忘れていた。



結局、2人とも完食するも

その頃にはとっくに10分が経過していた。


だから、この勝負は引き分けとなった。



ラーメン屋さんを出ると

羽賀くんが舌を冷やしたいと言うので

駅前にあるカフェに入った。



レジカウンターで私がアイスコーヒー

羽賀くんがカフェラテを注文し

運良く空いていたテーブル席に座った。



私はグラスにストローをさして一口飲んだ。



「コーヒーにガムシロとか入れないで飲めるの?」



羽賀くんが不思議なものを見るようにして、聞いてきた。


「私、ブラック以外飲まないの」


「ひえ〜おっとな!俺、コーヒー系は飲めないんだよな。

ちょっとでも苦いとダメ」



そう言いながら羽賀くんは

カフェラテにガムシロ3つも入れた。


カフェラテなんてそんなもの

入れなくても、最初から甘いものなのに。



「ちょっと入れすぎじゃない?」


「これくらい甘い方がちょうどいいんだよ」



羽賀くんは一口飲んでから、私の方にグラスを寄せた。



「うま!美羽も飲んでみ?」



しぶしぶグラスを受け取り、試しに一口飲んでみた。


口の中が一気に甘ったるい

ミルクの味しかしなくなり

慌ててグラスを返した。



「無理無理!こんな甘いの飲めない」



「そうかー?こんなうまいのに」



薄味のアイスコーヒーで

口直しする私を見て

羽賀くんはケラケラ笑った。





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