僕はキミの心臓になりたい
羽賀くんがかなりの甘党だってことに驚いた。
というより、今日は羽賀くんに
驚かされてばかりでいる。
怖いものが苦手で猫舌の甘党である羽賀くん
の子供っぽい一面がたくさん見れていた。
それを思い出していて
目の前で激甘のカフェラテを
飲んでいる彼を見て思わず
笑みがこぼれた。
「何笑ってんの?」
「羽賀くんてなんか子供のまま成長した感じするなって思って」
羽賀くんは少し考える素振りを見せた後
俯いて答えた。
「よく言われるよ…」
その答えを聞いて
羽賀くんの子供時代が知りたくなった。
「どんな子供だったの?」
「ガキの頃は落ち着かなくて
ずっとチョロチョロしてたから
かなり手がかかってたらしい」
「……簡単に想像できる」
「美羽はどんな子供だった?」
そう聞かれて私は
意味もなくストローをグラスの中で
くるくる回しながら答えた。
「大人しい子だって言われてた。話すことも苦手だったみたい」
「人見知りする子だったんだ」
「ううん、周りの人に興味がなかったの。
自分の中にずっと閉じこもっていたから
周りも私に興味を持たなかった。
だから、友達なんてできたことないんだ」