僕はキミの心臓になりたい
それからカフェでは特に内容深くない話で
時間は過ぎていき
帰る雰囲気になりだした。
「なんかいーよなぁ、こういうのも。たまには」
帰りのバスの中で
窓側の座席に座っていた羽賀くんが
外の景色を眺めながら言った。
「こういうのって?」
「んー女の子と2人で遊びに行くの。
ちょっと新鮮だったつーか。
だから楽しかった」
私はそれを聞いて嬉しくなった。
自分も今まさに同じ事を思っていたからだ。
だから私も素直に答えられた。
「私もすごく楽しかった」
友達というものがいなくて
こうして誰かと一緒に外出することが
なかったので今日がすごく楽しかった。
羽賀くんはそれを聞いて満足げに笑顔になった。
そして、ポケットからあの手帳を
取り出して私に差し出した。
「じゃあ、これからもよろしくって意味で
次回の美羽のやりたいこと書いてきて」
次もあることがわかって嬉しくなり
羽賀くんから手帳を受け取った。