僕はキミの心臓になりたい
内川さんは羽賀くんのことが好きだから
私が羽賀くんを奪ったと言ってるんだ。
別に私は羽賀くんのこと好きとは言ってないし、
付き合ってもないのに。
それからも聞こえてくる女子たちからの嫌味と、
クラスメイトの噂話が不愉快で
耳を塞ぎたくなった。
その時、前方でガタンと
大きな音を立てて誰かが席から立ち上がった。
「みんないい加減にしなよ!」
突然クラス内に響いた怒鳴り声に
みんなは静まった。
その子は名前が思い出せないけど
クラス内で一番可愛いと噂されてる
小柄な女の子だった。
「相楽さんは羽賀とは何もないって
言ってるんだから
こんな勝手なことばかり言われたら
相楽さんも迷惑でしょ!
もうやめてあげて」
ものすごく意外な光景に
私は息をするのも忘れてそれを見ていた。