僕はキミの心臓になりたい
「そっか…大変だよね。
あ、じゃあ私の授業のノート貸そうか?」
「えっでも、夏美ちゃんもテスト勉強で使うでしょ?」
「私はテスト用にノートまとめてあるんだ。だから使わないから大丈夫だよ!」
「あっありがとう!」
「うん!あとで貸すね」
天使のような笑顔……
ううん、夏美ちゃん自体が天使そのもの。
私も夏美ちゃんのように、人に優しくできたらいいのに。
今まで周りの人に興味なかったせいで
そんなこと考えたことなかったけど
人に優しくされると自分もそうなれたらって思う。
私も助けてもらってばかりだから
もっと人に役立てるようになりたい。
すると、少し先に羽賀くんが通りかかった。
「あっ瑞稀ー!」
私と同時に羽賀くんの姿を見つけた
夏美ちゃんが、羽賀くんを呼ぶと
羽賀くんが私たちに気づいた。
瑞稀……?
夏美ちゃんの羽賀くんの呼び方に
違和感を感じた。
「おう!あれ、2人で食べてんだ」
羽賀くんは手を上げながらこっちに歩いてくる。