僕はキミの心臓になりたい
羽賀くんが手を振りながら去っていった後、
「瑞稀って本当優しいよね」
と、夏美ちゃんが羽賀くんの
後ろ姿を見つめながら言った。
「困ってる人をほっとけない性格だから
仲良い人だけじゃなく
クラスでちょっと浮いてる人とでも
分け隔てなく話してくれるよね」
「うん…本当にそうだね」
私も今までの羽賀くんを振り返ってみて共感し
首を縦に何度も振った。
すると、夏美ちゃんが空を見上げてしみじみと言った。
「私も瑞稀みたいにいろんな人と
フレンドリーに話せるようになりたいな〜」
「夏美ちゃんだって誰とでも仲良くできるじゃない。
クラスで浮いてた私にも
話しかけてくれたし、羽賀くんとも仲良いし…」
羽賀くんのこと名前で呼べる仲だもんね。
それが結構羨ましかった。
その時、突然呼吸ができなくなった。
口から息ができない。
あ……またやってきた。
こんなところで。