僕はキミの心臓になりたい
動悸がどんどん激しくなってくる。
ぜーぜーと荒い息が口から出る。
「美羽ちゃんどうしたの!?」
夏美ちゃんが私の様子に気づき、手を握った。
「美羽ちゃん……指先すごく冷たい」
私は胸を押さえながら、必死に通学カバンを指さした。
「夏美ちゃ……カバンに薬……取って……」
夏美ちゃんはわかったのか
私のカバンの中を探り出した。
そして、携帯用の薬が入ったケースを取り出して見せた。
「これ!?」
「一粒……出して……」
夏美ちゃんも慌ててるようで
ケースからなかなか薬を出せなかったけど
何とか取り出し、一粒私に渡してくれた。
私は薬を飲み、呼吸を落ち着かせた。
その間、夏美ちゃんはずっと背中をさすってくれた。