僕はキミの心臓になりたい
放課後。
クラスメイト全員が帰宅した後
教室には私と羽賀くんだけが残った。
午後から話の内容が気になってたけど
だいたい想像できた。
私の座っている席の前の席に羽賀くんが座り、
私に手のひらを向けた。
「手帳にやりたい事書いてきた?」
そう聞かれて私はうなづき
カバンから茶色の手帳を出して
羽賀くんの手の平に置くと
彼は表紙からめくっていった。
羽賀くんは私がやりたい2つ目のことを
読んでニンマリ笑った。
「やっぱりな!絶対書いてくると思った」
なんか全てを見透かされてるみたいで
顔が赤面し始めた。
②花火大会に行きたい
2ページ目にそう書いた。
「せっかくの夏だし
たまには夏らしいことしたいなと思って!
掲示板に貼ってあった花火大会の
ポスター見て思いついたの」
ずっと花火大会に行きたかったくせに
全く素直になれない。
「そうかー?前に友達と
花火大会行ってみたいとか言ってた
気がするけどな〜」
「そうだっけ?覚えてないや〜」
とぼけたフリをして、羽賀くんから目線を外した。
手帳にはやりたいこと書けるのに
羽賀くんの前では素直になれない。
「来週の土曜日に神社で
花火大会あるから、それに2人で行こうか!
夏休み初日だし、パアッと楽しもう」
「……うん!!」
こうして、夏休み初日にある
花火大会に羽賀くんと行けることになった。