僕はキミの心臓になりたい
君がくれた夏
1学期最後のテストも無事終わり
いよいよ夏休みを迎えた。
花火大会当日。
花火大会のせいか、外の街並みがいつもより賑やかに感じた。
それは家の中でも……
「も〜お母さん遅れちゃうよ!」
「大丈夫よ!時間までには終わらせるから」
私は居間で、お母さんの手による浴衣の着付けをしてもらっていた。
お母さんは慣れない着付けにかなり苦戦してるようだ。
「だからいいって言ったのに」
「久しぶりなんだからいいじゃない!」
私が友達と花火大会に行くと話すと
お母さんは嬉しそうにタンスから浴衣を
引っ張り出してきたのだ。
今まで友達と出かけることがなかったので
余計に嬉しかったのだろう。
「はい、できた!」
後ろでお母さんが満足げに言ったのを聞いて
私は玄関にある姿見の前に移動した。
淡いピンク色の浴衣を着た見慣れない自分に戸惑う。
こんな格好で行って大丈夫かな?
たぶん羽賀くんびっくりするよね……