僕はキミの心臓になりたい
下駄を履き、玄関で母に見送られながら
神社へ向かって歩き出した。
街中の人々もみんな神社に行くようで
同じ方向に向かって歩いている。
家を出てすぐの時は自分だけ目立っていると思ったが
意外と浴衣を着た女の子たちも
たくさんいてホッと一安心した。
10分くらい歩くと、神社の入口に到着した。
ここで羽賀くんと待ち合わせしているが
彼はまだ来ていないようだ。
神社からは太鼓や笛の音が聞こえ
お祭りムードが一気に漂ってきた。
しばらく待っていると
神社の前の交差点を渡っている
羽賀くんの姿を見つけた。
私は羽賀くんに向かって手を振ったが
悲しいことに羽賀くんは私に気付かず
目の前を通り過ぎようとした。