僕はキミの心臓になりたい
「羽賀くん!」
彼の耳元で声をかけ
羽賀くんと目が合った瞬間
驚いた表情でその場に棒立ちになった。
「みっ美羽!びっくりした!!
まさか浴衣着てくると思ってなかった
から……」
そう言いながら羽賀くんは
私の浴衣姿をまじまじと見つめた。
恥ずかしい……
私だけはりきってるように見えちゃったかな?
「へっ変だよね!」
不安になって前髪を触りながらそう言うと、
「ううん、似合ってる。美羽の普段見れない姿見れて嬉しいよ!」
羽賀くんからは思いがけなかった言葉が
返ってきて、私の顔は赤く染まった。
浴衣、着てきてよかったかも……
心の中でお母さんに感謝した。
神社の中は大勢の人で賑わっていた。
狭い通路の端には、いろんな屋台が並び
その前をたくさんの人が往き来していた。
この場にいる人達の楽しそうな雰囲気が肌で感じられる。