僕はキミの心臓になりたい
私は家族以外の人とお祭りに来ることが
初めてで、とても新鮮でワクワクした。
「あっチョコバナナ!食べていい?」
そう聞きながら羽賀くんを見ると
羽賀くんはクスクス笑っていた。
「何笑ってるの?」
「いや、美羽にも子供っぽいところがあるんだと思って」
子供っぽい!?そんなこと初めて言われた。
「チョコバナナは誰だって好きでしょう!」
「はいはい」
ムキになって言った私に、羽賀くんはまだ笑っていた。
羽賀くんには、ついつい強がってしまう……
可愛くないなぁ、自分。
それから2人でヨーヨー釣りやったり
羽賀くんリクエストの射的やったり
焼きとうもろこし食べたり
久しぶりのお祭りを楽しんでいた。
今まで我慢してきたものを
全部やり遂げるように
楽しい時間を過ごしていた。
まさか自分が誰かと一緒に浴衣を着て
花火大会に来る日がくるなんて
想像もつかなかった。
それも、同じクラスの男の子と……