僕はキミの心臓になりたい



一瞬ぱっと輝いて消えゆく火花が

私たち2人の時間のように思えた。


やがて、私の目にうつる花火は涙でゆがんで見えていた。


嫌だよ……終わりたくない。


羽賀くんと出会って

人に優しくされる気持ちも

誰かと一緒にいたいという気持ちも

知っちゃったから。


羽賀くんと一緒に過ごした時間を

知ってしまったのだから。



もう、羽賀くんと出会う前の自分なんて

忘れちゃったよ。


今さら、羽賀くんから離れることなんてできない……



最後、金色の花火が夜空一面に光り輝いた。


< 86 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop