僕はキミの心臓になりたい
花火大会が終わると
みんなざわざわしながら神社に
背を向けて帰っていく。
私と羽賀くんも人の波に乗りながら
神社の出口へと歩いていた。
「今年も終わったな」
夏の一大イベントが終わってしまい
羽賀くんは少し寂しそうに呟いた。
私も今日一日の終わりを感傷的に思っていたが、
前向きにするようにした。
「また来年も来ようね」
そう言うと、羽賀くんは何故か
驚いた顔をして私を見た後
すぐいつもの笑顔に戻った。
「うん。来ような」
羽賀くんの返事にホッとしてると
彼が急にバシッと自分の両頬を叩いた。
「てゆうか、夏休みはまだまだ
これからなんだからしんみりするのは早いよな!
まだいっぱいいろんなとこ行けるんだし」
「うん、そうだよ!また2人でどこか行こうね」
「おう!」