僕はキミの心臓になりたい
翌日。
今日な検査のため、病院に来ていた。
吉沢先生に聴診器で心臓を診てもらい
ドキドキしながら吉沢先生の顔色を伺っていた。
「どうですか?」
「うん。安定してるね。激しい運動とかしてないよね?」
「夏休みは病院くらいしか外出してないので」
すると、吉沢先生が手元のペンを進めながら聞いてきた。
「そういえば、入院してた頃によく来てたあの男の子とどう?仲良くやってるの?」
ドキン……
不意に聞かれた質問に戸惑ってしまった。
「彼とはもう関わらないほうがいいと思って」
そう言うと、吉沢先生は
驚いた表情で体をこちらに回した。
「どうしたの?彼となんかあった⁇」
「私病気だから…
またいつ発作が起きるかわからないし
あんまり一緒にいたりすると
彼に迷惑かけてしまうかもしれないし」
胸の内に秘めていた想いを話すと
吉沢先生はしばらく黙った後口を開いた。
「迷惑なんて……何でそんな風に思うの?」
「え?」
「普通誰だって恋がしたい、
好きな人と一緒にいたいって当たり前に
思うでしょ。
それを病気のせいにして
やりたいことを拒むのって
今病気と戦ってる美羽ちゃんが言うことじゃないだろ」