僕はキミの心臓になりたい
吉沢先生は、私の目をまっすぐ見つめて言った。
「美羽ちゃんには、これからも悔いなく生きてもらいたい。
自分のやりたいようにしなよ。
せっかく心の底から一緒にいたいと思える人と出会ったんだから」
悔いなく……生きるーー
そうだよね。
私っていつも自分に自信なくて
大切なものを手放してくることが多かった。
羽賀くんとの日常を終わらせたくないよ……
「あと、迷惑かけることが
いけない事だと思ってるみたいだけど
迷惑かけずに生きてる人なんていない。
病気の人でも健康な人でも
誰にだって支えてくれる手が必要なんだよ。
1人で生きれる人間なんていないんだから」
吉沢先生の言葉が、私の背中を押してくれた。
何故だか、温かい気持ちに包まれてる感じがした。
私は一人じゃないんだよね。
「先生……私頑張れそう。
たぶん、前よりも少し自分の事わかった気がするから。
やりたいようにやる。
ありがとう」
そう言うと、吉沢先生は強くうなづいた。