先生を堕ろさせる会
給食当番の人たちが配膳室へ出発したと同時に、クラスのインターホンが鳴った。

級長の生徒が出た。

その内容は光留には分からなかったが、何かむず痒い感覚が彼を襲った。

『はい、分かりました』と言って、級長は受話器を下ろした。



当番の人が丸カンや四角カンを運んできて、配膳を始めた。

教室にはいい匂いが漂う。

級長は銀色の四角いお盆を用意し、

「先生は用事があるそうなので、先生の分の給食をだれか、保健室まで運んで下さい!」

と言った。

彼の言葉にいち早く手を挙げたのは、先生を堕ろさせる会の一員だった。

「じゃあ、よろしく」

級長からお盆を受け取ると、彼は当番がよそった給食の皿をそれに載せた。

そして何故か、教室の後方へ向かって、頷いた。
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