[完] 空に希望を乗せて [長編]
第四章
分裂
うちの高校のバドミントン部スケジュールは、月曜日、中練(全面)のち外練。火曜日、外練。水曜日、中練(半面)。木曜日、中練(全面)。金曜日、お休み。土曜日、4時間中練。日曜日、お休み。という感じ。全面の日は中に入れてもらえるけど、半面のとき、外練のときは外でやる。1年生の伝統だそう。
部活が始まって2週間。基礎ばっかりで、なかなか打たせてもらえない。流石に高校生にもなると、「みんななかよく」なんてできない訳で。外練ばっかで同級生とつるんでいることが必然的に増える。相手を知れば、嫌なとこもわかってくる。はっきりいって私たちは分裂した。原因はよくわかんない。気づいたら分裂してた。私、美結、愛桜、絢音の4人、友梨香さん、柚香ちゃん、桃夏ちゃんの3人と、愛莉ちゃんで別れてる。石田くん、晃くん、春くんの3人はどっちでもない感じだ。お互いがこそこそお互いの悪口言って、ほんとに悪い雰囲気。せっかくバドミントンを頑張りたいって思ってたのに人間関係が問題になるなんて…。
中学生のときにさんざん懲りたはずなのに。なんでこんなことになっちゃったんだろ。あーあ。人間、めんどくさい。去年の夏の思い出がフラバしてくる。ちょっと苦しくなって思わずそこにしゃがみこむ。
「大丈夫?体調悪い?」
と美結。ほんとに美結は優しいし、可愛いし…。
「ううん、大丈夫。ちょっとフラバしちゃっただけ」
私は苦笑いを浮かべる。
「フラバ?」
美結がキョトンとしてる。あれ?みんなするもんじゃないの?
「フラッシュバックのことだよ。いやな思い出とかふいに思い出すこと」
「そんなことってあるの?」
「え?!ないの?」
フラッシュバック。私はよくある。なんか嫌な思い出がぶわって頭の中を駆け巡る。
それで頭痛くというか心がぎゅっとなってしゃがみこんじゃう。あー、つらいな。こういうのダメ…。
「普通ないんじゃない?」
「そうなの?」
「うん!なかなかないんじゃない?トラウマでもあるの?」
「んー、ないと思うけど…。」
「まぁあんまり深刻に考えんようにね」
「うん…」
私は考えるときは思考回路にのめりこんでしまって、どんどん暗くなってしまう。そんなことなっちゃだめだってわかってるんだけど、なかなか考えるのをやめられない。
「おーい、茉夏ちゃん?」
美海先輩。よく考えると中学同じな先輩。二つ結びで髪を結っててくりっとした目がチャームポイント。肌もキレイで可愛く、モテる先輩。学校でも目立つ存在だったから私もよく知ってる。その美海先輩が私の目の前で手を振る。ぼーっとした人とかを現実に戻すための、あれ。美海先輩、可愛い。
「あ!え、はい!」
ハッと気づいて返事を返す。今日は美海先輩と岩倉鈴音先輩。すず先輩は、ちょっとぽちゃっとしてるけど二重の目が可愛くてほっぺがぷにぷにしてそう。触ったことないけど。先輩達もなにかを察したのか分裂してるグループで分けてくれてる。それだけは助かってる。
「じゃあ今日はステップを教えるね」
「ステップ?」
「なんか楽しそうな名前やねー」
「愛桜ぁ…。面白すぎ」
「そんな絢音は笑いすぎね」
二人揃ってうなだれる。なに、可愛い…。
そして面白い。みんなで笑う。あっちのグループからいやな粘つく目線が気になる。でも、気にしてないふりして無理やりわかった。しばらくなかなおりすることはできない気がする。
部活が始まって2週間。基礎ばっかりで、なかなか打たせてもらえない。流石に高校生にもなると、「みんななかよく」なんてできない訳で。外練ばっかで同級生とつるんでいることが必然的に増える。相手を知れば、嫌なとこもわかってくる。はっきりいって私たちは分裂した。原因はよくわかんない。気づいたら分裂してた。私、美結、愛桜、絢音の4人、友梨香さん、柚香ちゃん、桃夏ちゃんの3人と、愛莉ちゃんで別れてる。石田くん、晃くん、春くんの3人はどっちでもない感じだ。お互いがこそこそお互いの悪口言って、ほんとに悪い雰囲気。せっかくバドミントンを頑張りたいって思ってたのに人間関係が問題になるなんて…。
中学生のときにさんざん懲りたはずなのに。なんでこんなことになっちゃったんだろ。あーあ。人間、めんどくさい。去年の夏の思い出がフラバしてくる。ちょっと苦しくなって思わずそこにしゃがみこむ。
「大丈夫?体調悪い?」
と美結。ほんとに美結は優しいし、可愛いし…。
「ううん、大丈夫。ちょっとフラバしちゃっただけ」
私は苦笑いを浮かべる。
「フラバ?」
美結がキョトンとしてる。あれ?みんなするもんじゃないの?
「フラッシュバックのことだよ。いやな思い出とかふいに思い出すこと」
「そんなことってあるの?」
「え?!ないの?」
フラッシュバック。私はよくある。なんか嫌な思い出がぶわって頭の中を駆け巡る。
それで頭痛くというか心がぎゅっとなってしゃがみこんじゃう。あー、つらいな。こういうのダメ…。
「普通ないんじゃない?」
「そうなの?」
「うん!なかなかないんじゃない?トラウマでもあるの?」
「んー、ないと思うけど…。」
「まぁあんまり深刻に考えんようにね」
「うん…」
私は考えるときは思考回路にのめりこんでしまって、どんどん暗くなってしまう。そんなことなっちゃだめだってわかってるんだけど、なかなか考えるのをやめられない。
「おーい、茉夏ちゃん?」
美海先輩。よく考えると中学同じな先輩。二つ結びで髪を結っててくりっとした目がチャームポイント。肌もキレイで可愛く、モテる先輩。学校でも目立つ存在だったから私もよく知ってる。その美海先輩が私の目の前で手を振る。ぼーっとした人とかを現実に戻すための、あれ。美海先輩、可愛い。
「あ!え、はい!」
ハッと気づいて返事を返す。今日は美海先輩と岩倉鈴音先輩。すず先輩は、ちょっとぽちゃっとしてるけど二重の目が可愛くてほっぺがぷにぷにしてそう。触ったことないけど。先輩達もなにかを察したのか分裂してるグループで分けてくれてる。それだけは助かってる。
「じゃあ今日はステップを教えるね」
「ステップ?」
「なんか楽しそうな名前やねー」
「愛桜ぁ…。面白すぎ」
「そんな絢音は笑いすぎね」
二人揃ってうなだれる。なに、可愛い…。
そして面白い。みんなで笑う。あっちのグループからいやな粘つく目線が気になる。でも、気にしてないふりして無理やりわかった。しばらくなかなおりすることはできない気がする。