君のいた時を愛して~ I Love You ~
混み合う店内に響くナイトライダーのテーマに、俺はダッシュでと言っても、笑みをたやさず、お客様にぶつからないように、そして走っているように見えない速足で事務室に戻った。
「中村戻りました」
俺が声を掛けると、事務の女性が受話器を手渡した。
「中村さんあてにお電話です」
この忙しい時間に私用の電話ですと言わんばかりの表情に、俺は頭を下げて受話器を受け取った。
「はい、中村です」
俺が電話に出ると、相手は少し戸惑ったように話し始めた。
『すいません、ご多忙な時間に。医師の中嶋です』
「中嶋先生!」
俺の言葉に事務の女性が不機嫌な表情から心配げな表情に変わった。
『じつは、奥様の病状についてご主人にお話ししたいと、奥様には何度もお願いしているのですが、ご多忙で都合がつかないとのお話でしたので・・・・・・』
「いきます。これから病院に伺えばよろしいですか?」
俺は仕事のことも忘れて言った。
『お仕事、大丈夫なんですか?』
「大丈夫です。上司に事情を説明してすぐに伺います。
俺は即答し、先生にお礼を言ってから電話を切った。
「奥様、また入院されたんですか?」
電話を取り次いでくれた女性が心配げに尋ねてきた。
「入院までは・・・・・・。でも、入院になるかもしれないです」
俺は正直に言うと、上司に早退の許可を貰いに行った。
事情が事情なので、上司はすぐに承諾してくれたが、これで他のメンバーとの軋轢はさらに激しくなり、溝は深くなるだろうと感じた。
☆☆☆
「中村戻りました」
俺が声を掛けると、事務の女性が受話器を手渡した。
「中村さんあてにお電話です」
この忙しい時間に私用の電話ですと言わんばかりの表情に、俺は頭を下げて受話器を受け取った。
「はい、中村です」
俺が電話に出ると、相手は少し戸惑ったように話し始めた。
『すいません、ご多忙な時間に。医師の中嶋です』
「中嶋先生!」
俺の言葉に事務の女性が不機嫌な表情から心配げな表情に変わった。
『じつは、奥様の病状についてご主人にお話ししたいと、奥様には何度もお願いしているのですが、ご多忙で都合がつかないとのお話でしたので・・・・・・』
「いきます。これから病院に伺えばよろしいですか?」
俺は仕事のことも忘れて言った。
『お仕事、大丈夫なんですか?』
「大丈夫です。上司に事情を説明してすぐに伺います。
俺は即答し、先生にお礼を言ってから電話を切った。
「奥様、また入院されたんですか?」
電話を取り次いでくれた女性が心配げに尋ねてきた。
「入院までは・・・・・・。でも、入院になるかもしれないです」
俺は正直に言うと、上司に早退の許可を貰いに行った。
事情が事情なので、上司はすぐに承諾してくれたが、これで他のメンバーとの軋轢はさらに激しくなり、溝は深くなるだろうと感じた。
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