スケルトンドーム
刺激臭に耐えられず鼻を抑えながら弥月と距離を置くように後ずさりする。

「はぁ…さすが50班と言うべきか、見る限りだとあと一人はどこかへ置き去りにしてきたようだが、まさか人間性まで最底クラスとは思わなかったよ。エルズの餌にでもしてきたのか?フフ…なんとも、こんな連中のたった30の差しかないとは我ながら情けない限りだ」

「班長!2班同行でのエルズ捜索の許可が下りました!西、北エリアを重点的にとのことです!」

ボロボロの車から顔を出し声を上げる新宮班本見アカネ。

「班長、もう急ぎましょう」

ずっと車のそばに立っていた新宮班副班長の白水明日香は銅達に目もくれず新宮の元へと足を進める。

「50班とのいざこざは私たちの品格にも支障をきたします、もう関わらない方がいいかと」

「その通りだな、少し熱くなってしまった。では我々はエルズ捜索に向かうとする。君たちは遠慮なくエンペラーホテルへと向かってくれ、VIP護衛という“重要任務”は任せたよ」

そういうと新宮たち4人は西、北エリアへとそれぞれ姿を消し、大通りには3人だけとなった。

「30班以下はみんなVIPに回ってるっつうの」

「白水と本見っていう女、まじムカツクぅぅ!絶対私の方がいい女なのに、そう思わない?」

「誰も興味ねーよ」

ずっと我慢してたのだろうか、4人が去ると同時に何かが一気に爆発した凛子。

「結構言い合ってましたね、まさかあんなヤツに怒ってるんですか?」

スーツに染み付いた匂いを気にしながら銅の様子を伺う弥月。
新宮班女子二人に敵対心を持った谷崎。
そんな能天気な2人を見て、軽くため息をつき頭をかく銅。
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