お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「お、おかしくないですか……?」
「どこがでしょう?」
「そ、そのぉ……」
言えるわけないでしょーがっ!!!!
「とろける、という部分ですか?」
「なっ、分かってるんじゃないですか!!」
二度も言ったよこの人!!
照れもしないでさらっと!!
「と、とろけるって……」
「はい。お嬢様が、私の手の中で、とろけるという意味です」
!!??
声にならない悲鳴が上がる。
え、えっ、えっ……
「えええぇぇぇーーー!!?」
はっ、は?
はぁぁぁぁーーー!!?
「そんなに驚かれることですか?」
「あ、当たり前じゃないですか!!
私になにする気ですか!!?」
身の危険を感じて、両手を胸の前でクロスし、ぶるぶる震える。
赤くなる……を通り越して、冷や汗をかくほど顔は真っ青。
「なにって……夜に男女がふたりきり。
思い浮かぶものは、ひとつしかないでしょう?」