お嬢様、今夜も溺愛いたします。
──────────


「ふぅ……」


湯船のほどよいあたたかさに、思わずため息が出た。


時間はもう9時。


そろそろ黒木さん、部屋に来るかな……


足を軽く動かす度に、ちゃぽんとお湯が跳ねる。


「いい香り……」


緊張でばくばくしていた心が、ふわりと鼻をくすぐするラベンダーの香りに穏やかになる。


それにしても、すごいお風呂……

毎日入ってるのに、いつもそれに圧倒される。


まん丸の、まるでプールのよう。

電気を消せば、湯船の底にあるライトが光って幻想的になるし、


シャンプーやトリートメントも見たことないブランド。


湯船から見える外の庭には、様々な種類の植物が植えられてて、それもライトアップされてる。


入る度にホテルみたいだと感じる。


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