お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「もしまた、私を嫉妬させた暁には……」
ゆっくり上体を起こし、脱がされたカーディガンを身体にかけられる。
「暁、には……?」
ゴクリと唾を飲んだ私を見ていたその目が一瞬ギラりと光った気がした。
「お嬢様が期待されました通り。嫌と言われても必ず襲いますので、覚えておいて下さいね」
なんと甘い言葉……ではなくて、脅迫。
「それと今後私を苗字で呼ぶことも厳禁です。
もし一度でも呼んだならば、朝になってもベッドから離してあげないつもりですので」
黒木さ……いや、十夜さんは。
「どうなさいました?」
「いえ、なにも……」
たぶん……いや、確実にどんな男の人よりも独占欲が強くて、嫉妬深くて。
「さあお嬢様。お口をお開け下さい。
私と一緒にスイーツを食べながら甘い夜を過ごしましょう」
一度怒らせたなら、きっと。
私の身体は、十夜さんに溶かされて使い物にならない気がする。