お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「で?相談っていうのは?」
「あ、うん、そのことなんだけど……」
「うん?」
「男の人って、何あげたら喜ぶのかな」
昨日色々あったとはいえ、あんなにたくさんの抹茶ケーキをご馳走になってしまった。
作るのなんて簡単じゃなかっただろうし、何度も練習したに違いない。
大学生で授業の準備とか課題もあるだろうに、わざわざ時間を割いて。
私のためにってしてくれた十夜さんに、何かお礼がしたくなった。
「なるほどな。じゃあ、美都をあげれば?」
「は?」
うーんと一瞬悩んだ後、すぐに真面目な顔してとんでもないことを言った紗姫。
「どういうこと?」
「黒木が1番喜ぶものなんて、美都以外考えられない。ほら、クリスマスとかであるじゃん?プレゼントは、私ってやつ」
「そ、そんなことできるかーーーっ!!」
ガタッと立ち上がって両頬をバチンと叩く。
確かに昨日私黒木さんに流されそうになってたけど、それは付き合ってるカップルがすることで、私たちじゃない。
てゆーか、恥ずか死ぬわ!!
頭にポンっと首にリボンをつけた自分が十夜さんに歩み寄るシーンが浮かんできて、慌てて消す。