お嬢様、今夜も溺愛いたします。

よしっ、私も早く帰ろう!

十夜さん、待ってるだろうし。


急ぎ足で教室に戻り、カバンの中にラッピングされた袋がちゃんと入っていることを確認する。


これを忘れちゃったら、元も子もないもんね。


なんだか渡すの緊張するなぁ……


喜んでくれるかな?

それとも驚く?


なんなら嬉しいって笑ってくれるかもしれない。


きっと十夜さんなら、何をあげてもありがとうって微笑んでくれるかもしれない。


早くその顔が見たいなぁ。


とこぼれる笑みを抑えようと、両頬に手をあてたとき。


「村上、さん?」


「はい?」
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