お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「………」
返事がない……
も、もう一度。
──────コンコン。
寝てるのかな。
「失礼しまーす……」
小声で言って、そっとドアを閉めた。
勝手に入って後から怒られるって分かっていても、どうしても一言顔を見て伝えたかった。
「助けてくださって、ありがとうございました」
それと、
「私のせいで、風邪を引かせてしまってごめんなさい」
って。
足音を立てないように、ゆっくりゆっくり膨らむベッドへと歩み寄る。