お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「だいたい、看病ってそうじゃないですよね!?」


「はい?」


「母が看護師だったので知ってますけど、看病する人が布団に入ったりなんて絶対にしません!!」


「知ってますよ。私もよく美里様に看てもらってましたから」


ん?

今聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ?


「え?どうして十夜さんが母に看てもらうなんて……」


「お嬢様。お願いですから、こちらへ来てください」


「えっと……」


話を掘り下げようとしたのに、片方だけ立膝をついた十夜さんはコテンと首を傾げた。


「熱の時は誰だって、1人じゃ寂しいのでございます。私にとってお嬢様がそばにいて下さることが、1番の特効薬なのですから」


「っ〜!!」


なんつー、殺し文句ですか!!


そんなの……


そんなの。


嫌って言えるわけないじゃないですか!!


< 173 / 353 >

この作品をシェア

pagetop