お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「十夜さん、熱測ってもらえます?」


さっきから熱が上がってる気がする。

ぼーっとしてるし、目がますます潤んでとろんとしてる。


体温計がピピッと鳴る音がして見れば、


「さ、39.2分!?」


こ、高熱だ!!


40度出したことのある私なら分かる。

39度超えると頭がグワングワンとして、見えるものが傾いている感覚。


あれはほんとにつらい。


「と、とにかく寝てください!
風邪は寝るのが1番ですから!!」


横にならせ、布団をかけようとするも。


「暑い……」


ガバッと布団を取り、挙句の果てには……


「ちょっ、な、なに脱いでるんですかっ!?」


「そんな顔を赤らめてこっちを見ないで下さい。理性がぶっとびます」


「そ、そういうことじゃなくて……あ〜もう!!」


ぼんやりと着替えもままならない十夜さんの服に手を伸ばす。


「と、とにかく汗かいた服だと良くないです。
着替えた服は私がもらいますので、さっさと着替え……!?」


「私の身体に欲情、してます?」


「と、十夜さんじゃあるまいし!
早くして下さい!!」


顔がこれでもかと熱い。


コテンと首を傾げて汗だくの状態。


ただでさえ熱にあてられて妖艶さに拍車がかかってるのに、上半身裸って!!


しかも思った以上に腹筋がすご……


って!!


あぁぁぁーーーっ!!

だからなにを思い出してるの私は!!
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