お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「どうしてほしいですかお嬢様」
◇
「お嬢様。今週の日曜なのですが、なにかご予定などはございますでしょうか」
十夜さんが熱を出してから5日目の朝。
やっと回復してまた執事として戻ってきた十夜さんは開口1番に深く頭を下げた。
「申し訳ありませんでした、お嬢様」
「え?えーと、どうして私、謝られてるんです?」
「治って良かったですね」という言葉が、出かかったまま喉の奥に引っ込んだ。
「正直熱でほとんど覚えてないのですが、とにかく恥ずかしい態度を取った気がして……」
「………」
一応、覚えてるのね。
澄ました顔の普段じゃありえないほど甘えたさんだったあの時。
私としては心臓に、それはもう心臓に悪かったけど、素を見せてくれてるんだって分かって嬉しかった。
何より病気の時なら誰だって、少しくらい弱ったところを見せてもおかしくない。
まあでも、本人が聞いたら嫌がるだろうし、一応黙っておこうかな。
「お嬢様。今週の日曜なのですが、なにかご予定などはございますでしょうか」
十夜さんが熱を出してから5日目の朝。
やっと回復してまた執事として戻ってきた十夜さんは開口1番に深く頭を下げた。
「申し訳ありませんでした、お嬢様」
「え?えーと、どうして私、謝られてるんです?」
「治って良かったですね」という言葉が、出かかったまま喉の奥に引っ込んだ。
「正直熱でほとんど覚えてないのですが、とにかく恥ずかしい態度を取った気がして……」
「………」
一応、覚えてるのね。
澄ました顔の普段じゃありえないほど甘えたさんだったあの時。
私としては心臓に、それはもう心臓に悪かったけど、素を見せてくれてるんだって分かって嬉しかった。
何より病気の時なら誰だって、少しくらい弱ったところを見せてもおかしくない。
まあでも、本人が聞いたら嫌がるだろうし、一応黙っておこうかな。