お嬢様、今夜も溺愛いたします。
私よりも……
ちらりと十夜さんを見て、またドキッとする。
私服を見るのは今日で2回目だけど、ほんとにかっこいい……
全体的にモノトーン調だけど、赤い腕時計がアクセントになってる。
ただでさえ夜のような、クールで涼やかな印象なのにそれに磨きがかかった感じ。
外に出たら、色んな女の人に注目されるんじゃ……
いやだなぁ。
「そんなにかっこいいですか、私」
「えっ!?」
「ずっと私を見たまま固まっていらっしゃるので、見とれちゃうほどかと思って」
「っ!!」
ず、図星……
「前に私の私服がいいとおっしゃられてましたし、お嬢様に少しでもかっこいいと思われたくて」
「そ、そんなのっ……」
「ん?」
「私服だろうが執事服だろうが、どんな姿でも十夜さんはかっこいいです……それ以上かっこよくなられたら、私の心臓が持たない……です」
って、なに言ってるんだ私!?
自分の言葉が頭の中でこだまする。
今にも全身から火が出そうだ。