お嬢様、今夜も溺愛いたします。
なのに、私は色々ひどいことを……
「そんなの気にしないで下さい。
現に本当のことですし」
「えっ!?」
「私はお嬢様以外どうでもいいのです。お嬢様さえ隣にいてくれたら、笑って下さったら、それ以上に幸せで求めたいものなどありませんから」
あ、また泣きそう……
声も言葉もその表情も。
すべてが優しすぎてまた視界がぼやける。
「泣かないで下さいお嬢様。
私の言葉で泣いて下さるのは嬉しいですけど、別の意味でないて下さる方が好みです」
「べ、別の意味?」
腕の中に私を閉じ込めた瞬間、十夜さんの唇が耳たぶを掠めた。
「私の腕の中で、ベッドの上で、という意味です」
最後にちゅっとキスを落とすと、手を重ねられ、隣に座った。
「もう一周、しましょうか?」
「はい……」
「そんな真っ赤な顔で降りたら、やらしいことでもしてたのかと思われますしね」
人差し指を唇に当て、クスッと笑った十夜さん。
ほんとこの人には敵わないや。