お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「ずっと聞きたかったんですけど、ここはどういったお店なのですか?」
パーティードレス専門店なのは確かだけど、さっきからお客さんが誰もいない。
「簡単にいえば、皇家専用のおめかし部屋ってところですね」
「皇家専用?」
「はい。大企業ということもあって、他の財閥や、会社ぐるみのパーティーが年に何回も開催されるんです。その際にここでおめかしをされて、出席するというわけです」
よし、メイク終わり!
あとは髪!
と、次はゆるまきの髪をストレートにされる。
「ここは、皇家のご子息しか入れない専用のお店なんです。だから用がある時にしかお店は開きませんし、今日は美都様のためにと、黒木様が」
「そうだったんですね」
でもなぜにドレスコード?
この後パーティーにでも行くんだろうか?
けどなにも聞いてない……
不思議に思ってたら、はいおしまいです!と声をかけられた。
「とってもお綺麗ですよ、美都様!!」
「すごいっ……これが、私?」
ふっと閉じていた目を開けて、まっすぐ鏡を見て驚いた。
ブラウンのアイシャドウでまとめられているのに、どこか華やかさを感じる目元。
唇はほんのり紅く色づいていて、プルプル。
髪はアップでまとめられて、横の髪だけが、クルクルっと巻かれている。
そして耳にはゴールドのイヤリング。
天井から下がるシャンデリアに反射して、キラキラ輝いて見える。