お嬢様、今夜も溺愛いたします。
──────────


バタンとドアが閉まって。

ガチャっと鍵をかけた十夜さんは。


「えっ!?」


すっぽり覆い被さるように、後ろから私を抱きしめた。


「めちゃくちゃ可愛いです」


「え?」


「そのドレス」


はぁっ……と熱い息が耳にかかって、ビクンと体が跳ねた。


「黒にして正解でした」


「黒?」


「ええ。このドレス、私からお嬢様へのプレゼントなのですが。やはり自分の色を着てもらうのはなかなかクるものがありますね」


「こんな高いものもらえないです……って、え?」


自分の色って……黒木、だから黒ってこと?


「それに……」


「ひゃっ!」


むき出しになった太ももをするりと撫でられる。


「こことか、めちゃくちゃエロいですし。
たまんないな」


!!?


出た。

十夜さんのタメ口モード。


私とふたりきりになった時、特に甘い雰囲気の時になりやすい。


「それに、ここも……」

「んっ」


うなじにちゅっと優しく口づけられて、ぶわっと全身が熱くなる。


「いつも髪下ろしてるから新鮮。
可愛すぎて誰にも見せたくない」


「なっ……」



「俺が美都のすべてを独占したい」


つつーっと上から下へなでられて、変な声が出そうになるのを必死にこらえる。
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