お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「かわいすぎ……
口、あけて」


「なにを……って、んぅ……っ」


ジンジンと耳に残るほど甘い言葉に震えていると。


「ふぁっ……ぁ」


熱い何かが侵入してきて、より口内を翻弄する。


密着させられた身体も。


交わる甘すぎる視線も。


溺れるほど深い口づけも。


まるで十夜さんに食べられそうになって。


頭がクラクラして、身体の奥底がズクンと熱くなる気がした。


「伝わりました?」


やっと解放された頃。

はぁはぁと息が乱れる私とは反対に、涼やかに不敵に笑う十夜さん。


「ぜんっぜん、わかりません……っ」


分かったのは十夜さんのキスがうまいということだけ。


時折耳やうなじをなでられて、何度恥ずかしい声が出たことか。


ただただ熱い顔を隠したくて俯く。


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