お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「あの頃からずっとお嬢様だけを思ってきたんです。もう何年もその思いを抱えていますし、長期戦だということも覚悟していたつもりです」
じっと視線を逸らすことのないまま、ぎゅっと両手を握られた。
「お嬢様」
「は、はいっ!」
「私は、お嬢様のことがずっとずっと誰よりも好きです」
「そうなんですか……って、えっ!?」
今、なんて……
「聞こえませんでした?
私はお嬢様のことが好きで好きでたまりません」
「っ!!」
「まだお分かりになりませんか?
私はお嬢様を愛して……」
「わっ、わかりました!
わかりましたからっ!」
何回も言わなくていいっ!
慌ててその口を塞ごうとすると、めまいがしそうなほど甘い瞳が私をとらえていた。
「お屋敷に来た頃からことあるごとにお嬢様にふれていましたが、全部お嬢様のことが好きだったからです」
あれは、からかわれてるわけじゃなかったの?
じゃあ今までのは全部、私を好きだから……
!!?
途端にぶわっと顔が熱くなって、今まで以上に十夜さんからの視線が甘く感じる。
「……ほんとの、ほんとに?」
「はい。ほんとのほんとにです。
誰にも渡したくないですし、ずっと俺だけを見ていてほしいです。ずっとお嬢様を俺のモノにしたくて仕方なかったです」
ちょっ、ちょっと待って?
私を好きだと言い出した途端、急に饒舌になる十夜さん。
そ、そんなこと思ってたんだ……