お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「ずっと隠していた思いを打ち明けた以上、私ももう我慢なんてしませんから」
「えっ?」
「お嬢様に私との出会いを思い出してもらうのはもちろんのこと、はやく私を好きになってほしいので」
「あ、あの?」
「もうお分かりでしょうからお伝えしておきますが、私はお嬢様をみすみす逃がす気はありません。ずっとずっと好きだったんです。やっと私のモノになると思ったら、もう抑えるなんて無理です」
「抑えるって、なにを……」
「もちろん、お嬢様への気持ちをです。
これからは躊躇なく、キスもできますしね」
「っ!?」
驚く間もなく唇に落ちてきた熱。
顔を真っ赤にさせて固まる私に、十夜さんは最上級の笑みで微笑んだ。
「お嬢様、求愛のお時間です」