お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「こっ、告白された上にキスされたぁぁぁぁーーーっ!?」


「ちょっ、紗姫っ!
声が大きいっ!」


「わ、悪いっ……
まさか知らぬ間にそんなことになってるとは思わず」


今はいるのは教室。

あいにく五つ星レストランへお嬢様たちが行ってたから良かったものの、もし聞かれてたら……


考えるだけでゾッとする。


「ふーん?
でもやっと動いたんだ、黒木のやつ」


見れば、一段とニヤニヤしている紗姫。


「小さい頃からずっと美都だけを好きだったんだろ?お嬢様のお誘いも女子への扱いも、美都の専属執事になったことも、すべて合点がいく」


「………」


改めて言われると恥ずかしい……

紗姫にしては珍しく頬を緩ませてるから、なんも言えなくなる。


「にしても、部活はだめだったのに、よくバイトはOKしてくれたね?」


「それは私もびっくりした」


あんなに部活は断固拒否だったのに、バイトはいいとかどういう風の吹き回し?


「黒木のことだから想像はつくけど」


「え?」


「今日からなんだろ?
行けば分かるよきっと」


「そう、なの?」


よくわかんないけど、十夜さんに会えば分かるのかな?
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