お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「と、うやっ、さんっ……」


最初はふれるだけのキスが、気づけばどんどん深くなっていく。


「可愛いすぎです、お嬢様」


鼻から空気が抜けるような。

自分でも聞いたことのないような声が口から漏れる。


「ぁっ……はぁ…っ」


甘えるような、高いその声に聞いている自分が1番恥ずかしい。


なによりも、聞こえる水音が私の頭をよりおかしくさせる。


「お嬢様、もっとしてもいいですか」


「んっ……ふっ…」


そんな囁きの後で、口内へ侵入してくる熱いもの。


「好きです、お嬢様。
大好きです」


熱に浮かされたかのように、何度も何度も囁かれる好きの数。


「んっ……ふぁ……」


声が漏れる度に激しくなる唇。


気づけば。


「とうや、さっ……」


完全に力が抜けてしまった私は、ベッドに押し倒されていた。


「あまい……っ
もっともっとって美都が欲しくなる」


ペロッと唇をなめて、バサッと上着を脱ぎ捨て、グイッとネクタイを緩める十夜さん。


「桃みたいな味がする。
可愛い美都にぴったりだ」


ふっと不敵に笑う十夜さんの色気はすさまじく。


閉じ込めるように顔の横につかれた両腕にぎゅっとしがみついた。
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