お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「少しは私への好きという気持ちは自覚できましたか?」


そっと体を離され、ちゅっと頬にあてられる優しいもの。


「はい、少しは……」


うそじゃない。

十夜さんにふれてほしいと思ったのは事実。

きっとこれも好きのうちに入るのだと思う。


「なら、良かったです。
でも早く私を好きになってくださいね?」


ふわふわっと頭をなでた後、一旦部屋に戻りますと言った十夜さん。


「またあとでお伺いしますね」


パタンと閉められたドアを見届け後、ボスンっと枕に顔を押しつけた。


少しどころじゃない。


もう、ほとんど。

欲しいと思うくらいには、十夜さんのこと、好きになってるよ……
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