お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「失礼致します、お嬢様」


それからしばらくして、お風呂に入り髪を乾かし終えた私の元へ十夜さんが戻ってきた。


「朝か昼かは分からなくなってしまいましたが、お食事です」


「ありがとうございます」


どうやら十夜さんの分もあるようで、一緒に食べることにした。


「十夜さんもお風呂、入ってこられたんですか?」


「ええ、そうです。
分かりますか?」


「ああっ、はい。
なんだかいい香りがしたので……」


って、なんだか私変態みたいじゃない?

サンドイッチを食べながら、ふと気づく。


「ふふっ、当たりです。
男としては嬉しい言葉です」


「なら良かったです……」


熱くなる顔を隠しながら、ゴクッと紅茶を飲んだ。

体もあたたまって、一気に目が覚める。


「そういえば、一色さんとは仲いいんですか?」


「一色ですか?」


昨日見た限りでは、なにやら界さんと話しているような雰囲気だった。


歳も近そうだし、そういう風に見えたのだけど……

< 247 / 353 >

この作品をシェア

pagetop