お嬢様、今夜も溺愛いたします。

理由は2つ。


1つは、両親の他界。


うちはお花屋さんで、お父さんはお店を。

お母さんは看護師をしていた。



「2人はどこで出会ったの?」



だって、お花屋さんと看護師さん。

働く場所も、職業も、全く違う。



そんな2人がいつどこで出会って。

恋に落ちて、結婚したのか。



中学生になり、カップルが周りに増えたことから、興味津々だったことを覚えてる。


「ふふっ、出会いはね、病院だったわ」


「病院?」


「そうだったなぁ……
確か、俺が花の配達で行った病室の患者さんの担当が、お母さんだったんだよ」


「そうそう。
それでお父さんてば、私に一目惚れしちゃったらしくて。そこからは、猛アタックされたのよ?」


「へぇ……」


「おいおい。
娘の前でそんな恥ずかしい話しないでくれよ」



頬をほんのり赤く染めて照れていたお父さんだったけど、幸せいっぱいとばかりに微笑んでいて。


「美都もいつか、私たちみたいな運命的な出会いがあるかもしれないね」


そうやって、大好きなその手でお母さんは頭をなでてくれた。


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