お嬢様、今夜も溺愛いたします。
今どき珍しいセーラー服。
白の襟にネイビーのライン、チェックの大きなリボンが胸元についたブラウス。
加えて、ゴールドのボタンがその下に2つと、左胸辺りに星のエンブレム。
スカートは、リボンと同じチェック柄のフレアタイプ。
なんか、見るからにお嬢様って感じの制服……
「こちらは今日からお嬢様が通う、星水(ホシミズ)学園の制服でございます」
胸に手を当て、恭しく礼をする黒木さん。
「…………」
涼しげな顔して、よくもまあ、あんな発言ができるよね。
襲う、とか。
可愛い、とか。
イケメンだから許されるものの……
って、この人のことなんか気にする必要ないない。
執事だからって、甘えるつもりはさらさらないんだから。
「で、星水学園って?」
「はい。日本中のお嬢様や御曹司が通う、言わばお金持ちが通う学校、と言うことです」
なるほど……
おじいちゃんは日本で有名な大企業の社長。
ここに住むことが決まってから、なんとなく、高校も転校することになるだろうと思ってはいたけど……
まさか、そんな凄い所に通おうとは……
昨日までごくごく普通の暮らしをしてたのに、そんな世界にいるなんて、未だに信じられない。