お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「運命的な的な出会い、か……」
私にもいつか、訪れるのかな……
イチャこらし始めた2人を見て、ふと考える。
好きな人もいない。
付き合っている人もいないこの私に、そんなロマンチックなことが起きるなんて想像もつかないけど……
もし。
もしもそんなことがあったなら、私もお父さんたちみたいに、幸せな家庭を築けたらいいなぁ。
中学生なりに、そんな夢を見ていた気がする。
……だけど。
ドラマや映画でもよく見るけど、幸せで楽しい時間ほど、長くは続かないものだよね。
「お父さんっ!!
お母さん!!」
病院で白い布を顔に被せられている2人のそばで私はひたすら泣いていた。
あれから4年。
高校2年になって、しばらく経ったお盆のある日。
信号無視の車が、私たち家族の乗った車にぶつかって来たせいで。
───────大好きなお母さんとお父さんは、亡くなった。