お嬢様、今夜も溺愛いたします。

2つ目。

高1から付き合っていた彼氏の裏切り。


「入学式の時で一目惚れしてから、ずっと好きだった。俺と、付き合ってほしい」


相手は隣のクラスでかっこいいと噂されていた男の子。


一目惚れ。


その言葉が嬉しくて。


いつも優しく手をつないでくれたり、ぎゅっと抱きしめてくれたりして。



「これ、美都が好きだって言ってたお菓子の新作」


「えっ、わざわざ買ってきてくれたの?」


「うん。
美都が喜ぶと思って。
だめ、だった?」


驚く私に、彼はシュンと眉を下げる。


「ううん。
とっても嬉しい……っ!
ありがとう!」


慌てて何度もお礼を言えば、パァっと花が咲いたみたいに嬉しそうに笑って。


「美都のそういうところ、好きだよ」


なかなか素直に、ありがとうって言えない私を好きだと言ってくれた。


可愛いと言ってくれた。



毎日一緒に帰って。

お昼も一緒に食べて。



幸せだった。


毎日がカラフルに色づいていくようで、楽しくて仕方がなかった。



なのに………

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