強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
そして私は円花を見つめると、決意した言葉を伝えた。
「円花。ありがとう。それだよ。私嫌われるようにがんばる!希望が見えた気がする」
喜々として言葉を発した私に、円花も満足そうに笑みを見せてくれた。

「ねえ、優里香。それはそうと相手は誰なの?」
ごもっともな質問に、私も名前を思い出そうと頭を巡らせた。

「えーとね、ケン……じゃなくて。太郎……。なんとか太郎。シンタロウ……違うな……。あっ!翔太郎!うん翔太郎だ。和風の名前だなって思った」

「翔太郎ね……。なんかよくありそうだけど、あんまりいなさそうな……部署は?」
「知らない。なんかテンパってて聞いてない」
「あんた……それぐらい聞きなよ。仮にも同じところで働いてるんだし」

「うん、今日聞いてみる」
すっきりした気分で、パクパクと生姜焼きを食べる私に、円花もみそ汁を飲んだ後爆弾を投下した。
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